君が嫌い
そんな俺も今ではたまに風邪は引くけど心の強い人になれた気がする。


それもこれも先生が嫌な顔一つせず付き合ってくれたおかげ。


とても感謝している。


しているんだけど性格というか人間性というか、ちょっと頭がおかしい人だから素直に感謝できないのが実情。


『あっ、かっちゃーん!』


噂をすればなんとやらとはまさにこう言う時に使われるんだなと思った今日この頃。


少し離れた所から手を振っている先生の姿がある。
皆に注目されていても御構い無しなようだ。


とくに急ぎもせず普通に歩いて先生のところへと向かう。
そのまま無視したら何かされそうだしね。


『おそいよー。今帰り?』


『そうですね。これから帰りです。』


『そ、そっか。私も偶然たまたまここを通った時にかっちゃんを見つけたから声かけたんだけど、それなら一緒に帰らない?』


別段断る理由もないから頷く。
その返事を見た先生は大変満足した顔だった。

< 67 / 145 >

この作品をシェア

pagetop