too much
「えっと…」



なかなか言葉が出てこない。



本音を言えば、僕を選んでほしい。
でも、僕よりもあゆさんの方が付き合いは長いんだし、その間にはいろいろなことがあったと思う。
時間っていうのは意外と重要なものだ。



そうだよな…
僕は相川と気まずくなったとしても、そんなに困らないけど、平川さんはそういうわけにはいかない。
平川さんが迷うのは当然だ。



なぜ、僕はそんなことに気付かなかったんだろう…?



きっと、浮かれてたんだろうな。
僕は、彼女と相思相愛だったから…その想いだけで、うまくいくって思ってしまってたんだ…



「島本さん…私…どうしたら良いと思いますか?」

「え…それは……」

僕は、すぐには答えられず、とりあえず、コーヒーを一口すすった。



「僕には…わかりません。」

なんとも情けない答えだ。
でも、今の気持ちを正直に言おうとしたら、こうなってしまったんだ。



「島本さん…」

平川さんの心細い、落胆した声…
そりゃあ、当然だ。
「わからない。」なんて、最低の返事だもの。
僕は少しでもなんとかしようと、少し考えてからさらに言葉を続けた。
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