ｔｏｏ ｍｕｃｈ

「島本さんって、どういう女性がタイプなんですか？」

「え…？えーっと……」

本当のことは言えない…
いや、僕は変わったんだ。
だから、好きなタイプも変えていかなきゃな。
でも、なんて言えば…



「やっぱり、女性的で良く気が利く子ですか？」

僕がもたもたしてるうちに、彼女はさらに質問を重ねる。



「えっと…まぁ、確かにそういう子も好きだけど…
でも、それ程は気にしないかな。好きになった子がタイプっていうか…」

「私、あんまり女性的じゃないし、気が利くタイプでもないけど……大丈夫ですか？」

「えっ！？」

どういうことだろう？
まさか…僕のことを気に入ったってこと？
いや、そんなわけないよな。
他の三人の方が僕より格好良いし…



「やっぱり、ダメですよね、私なんて…」

「え？そ、そんなことないよ。」

「本当に！？じゃあ、連絡先教えてほしいなんてあつかましいこと言っても良いですか？」

「え……」

すごいな、なんだかぐいぐい押されてるような気がするけど…
彼女はウルウルした瞳で僕をじっとみつめていた。



「も、もちろん良いですよ。」

そうだ、今はそう言うしかない。
それに、却ってこういう積極的な子の方が僕には向いてるのかもしれない。
本当に気になる相手ならともかく、そうじゃない相手には僕はなかなか積極的にはなれないから、こんな風にぐいぐい来てくれるタイプの方が都合が良いじゃないか。