too much
「決断」side雪彦
(本当にこれで良かったのかな…)



家に戻ってシャワーを浴びて…
ベッドに横になったら、なんだか気持ちがもやもやしていた。



結局、しばらくは何もしないことになった。
それはつまり、僕と平川さんは、相川とあゆさんを騙すという事だ。



それは気の重い話だけど…
でも、平川さんがそのことを言いだした時、僕は正直ほっとした。



だって…僕は、もう平川さんのことは諦めなきゃならないかも…って、思ってたから。
そうするのが一番良いことのように考えてた。
僕が身を引けば、平川さんはもうあゆさんとのことを悩まなくて良いんだから。



なのに、平川さんはもう少し考えてみるって言ってくれた。
あゆさんと平川さんとはそれなりに長い付き合いみたいだし、きっと僕が選ばれることはないと思う。
でも、たとえ結論が出されるまでの短い間だけだとしても…
それでも、僕は、平川さんと連絡を取れるのがありがたいって思ってる。
その日までにあと何度会えるかわからないけど…今日でおしまいじゃなかった分だけ、ハッピーじゃないか。



いや、ハッピーではないかな。
きっとこれから先、会えば会う程、僕は彼女に惹かれてしまうだろうから…
別れる時は今よりも辛いかもしれない。
その時のことを考えたら、僕はすでに悲しい気持ちになってしまった。
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