too much
やっぱり、話せるはずなんてないよな…
彼女ならともかく、僕は、あゆさんの彼氏なんだから…
かといって、こちらからわざわざ「何か悩んでるんじゃない?」って聞くのもおかしい。
そんなことを考えてたら、ふと、目が合ってしまって、僕は慌てた。



「あ、相川って格好良いし、歌もうまいし、その上明るいし…
僕にはないものばかり持ってて、羨ましいですよ。」

「そんなことないと思いますよ。
島本さんも格好良いし…それに…相川さんとは違って、落ち着いてらっしゃるし…」



落ち着いてる…か。
そうだよな、あえて僕のことを良く言おうとしたら、きっとそのくらいしかないよな。
僕には本当に取り柄って言えるようなものがないから。



「僕は、ただおとなしいだけですよ。
こんな取り柄のない僕を、なぜ、あゆさ…あゆが気に入ってくれたのか、今でもわかりません。」

「取り柄がないだなんて、そんなことありませんよ。
島本さんといたら、なんか落ち着けるっていうのか、癒されるっていうのか、そういう感じがしますし…
とても素敵だと思います。」



そんなのお世辞だと思うけど…何か、ちょっと嬉しくて…
大袈裟だけど、僕は自分のことを認められたような気がした。
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