too much
「……島本さん…?」

「え、えっと…あ、あの……」



平川さんのことが好きだって確信したせいで、鼓動は速くなるし、体は熱いし、おかしな汗が噴き出す。
僕はハンカチで汗を拭いながら、何と答えれば良いのかと頭をひねる。
だけど、出て来るのは汗ばかりで、良いアイディアは何も出て来ない。
早く答えなきゃ!
そう思えば思う程、汗ばかりが噴き出る。



「あ、あの…そ、それは……」



急にがたんとゴンドラが波打ち、風を感じた。
なんと、もう一周回ってしまったようだ。



(助かった……)



ほっと胸を撫でおろしながら、僕達は、ゴンドラを降りた。
あゆさんと相川の姿はそこにはなかった。



「さっきのレストランに行ってみましょうか?」

「そ、そうですね。」



だけど、レストランにも二人の姿はなかった。



「どうしましょう?」

「相川に連絡してみては?」

「……そうですね。」

平川さんは、相川に電話をかけた。



「えっ?そうなの?
良かったね…!
で、どこに行けば良い?
私達?私達は、今、レストランの傍にいるよ。
うん、わかった。」

顔ではそしらぬふりをしながら、耳を傾ける。
どうやら、あゆさんのスマホはみつかったようだ。

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