社長の甘い罠~いつしか当たり前に~ + 番外編
コトン。


テーブルに置かれたワインボトルから健人さんに視線を向ける。


隣に腰掛けた健人さんがグラスにワインを注ぐ姿を見つめる。



「花菜、少し飲まないか?」


「うん。」



手渡されたワインを一口飲む。隣に座る健人さんがグラスを持ったまま私を見つめている。



「健人さん?」


「花菜、俺に作ってくれてどうだった?仕事で疲れてるし、面倒だった?」


「えっ?ううん、全然。楽しかったよ。」


「俺も。花菜と二人で楽しかった。」



それでもワインを飲まない健人さんをじっと見つめていた。



「俺が一人で何でも出来るって花菜は言うけど。」


「うん、事実でしょ。」


「確かに一人暮らしも長いし、花菜より10コも上だから一人で何でも出来る。当たり前だ。」


「うん。」


「でも…………花菜が必要ないって事じゃない。」



真っ直ぐに私を見つめる瞳と交わる。
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