社長の甘い罠~いつしか当たり前に~ + 番外編
「なんだ。俺も社長と飲みたい。」



隣に座る藤村がクスクスと笑っている。私はニヤリとした。



「今度、プロジェクトメンバーと社長達と飲むよ。」


「社長達?」


「秘書の長谷川さんも来るよ。」


「えええ、羨ましい。」



あゆみのテンションが上がっている。あゆみは長谷川さんの王子様みたいな感じに憧れている。



「長嶺、社長と仲良くなったら飲み会を開いてくれよ。」


「長谷川さんも誘ってよ。」


「ははっ、なればね………。」



私達同期にとって、社長も長谷川さんも憧れのような人だ。


仕事姿は格好いいしバリバリ仕事をこなす。



「長嶺、パイプを頼んだぞ。」


「藤村って野心家?」


「男は皆が野心家だ。」



大きく同意をする男3人に苦笑いだ。



「そう言えば話が変わるけど、花菜、彼氏と別れたの?」



あゆみの言葉に胸が締め付けられる。



「長嶺、別れたのか?」



奥寺の言葉に私は小さく頷いた。
< 12 / 240 >

この作品をシェア

pagetop