社長の甘い罠~いつしか当たり前に~ + 番外編
「ふざけてるのは健人さんでしょ!遊びなら止める。もう健人さんの女じゃない!」


「はあ?」


「健人さんの女は止める。だから朝帰りでも文句は言われたくない。」



立ち尽くす健人さんに背を向けて、洗面台で顔を洗い始める。


静まり返る部屋に健人さんが部屋を出ていったのだと思ったが――――。


タオルで顔を拭き終わると、背後から腰を持ち上げられて健人さんの肩に担がれた。


驚きに思考回路が停止する。



「花菜、覚悟じゃなくて後悔しろ。俺の女はやめる?ふざけんな。」


「私は不倫なんてしない。」


「不倫?俺は独身だ。」


「先のない付き合いは不倫と同じ。もう止める。いくら若くても先のない付き合いは止める。」



健人さんがベッドに私を投げ落とした。スプリングで弾む体にのし掛かってくる健人さんの胸を押し返す。


その手を掴まれ、頭の上で固定される。
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