社長の甘い罠~いつしか当たり前に~ + 番外編
プリントアウトした資料を坂本さんに持っていく。


席の隣に立ち、真剣な顔でチェックする坂本さんを緊張して見つめる。



「まあいいだろう。随分と成長したな。」


「はい、ありがとうございます。」


「社長の呼び忘れをするなよ。」


「はい。」



今のプロジェクトはとても大きなプロジェクトだ。外部とのやり取りも多く、社長の意見も重要になってくる。


私は席に戻り、自分の作業を進め始めた。



「長嶺さん、ちょっといい?」


「はい。」



視線を向ければ、社長秘書の長谷川冬馬(はせがわ とうま)さんだ。


長谷川さんは凄くイケメンの社長秘書だ。社長とは腐れ縁とか聞いた事がある。


長身の彼を見上げれば彼と目が合う。



「今回のプロジェクトで親睦会をやろうと話が持ち上がって。外部の方々も交えてなんだけどね。」


「はい。」


「大人数なんだけど店の予約をお願いしても?このプロジェクトが主だから。」
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