社長の甘い罠~いつしか当たり前に~ + 番外編
食事も終わり、車で家まで送ってもらう。



「金曜は迎えに行く。」


「えっ!いえいえ、同期にバレちゃうし。」



慌てる私を余所に健人さんは話を進める。



「バレても問題ない。社内恋愛は自由だ。」


「いやいや。今日、奥寺も凄く疑ってましたし。」


「俺と噂になりたくないのか?」



運転する健人さんを見つめていれば、チラリと視線が合う。



「健人さん、社内の女子に人気ってわかってますか?」


「まあ、そうだろう。」



否定しない健人さんをジト目で見る。



「私が嫌がらせとか陰口を言われても平気なんですか?」


「………まあ嫌だな。」


「ですよね?だったら………。」


「言われないだろ?」


「言われます!」



興奮する私に健人さんが真剣な声で聞いてきた。



「嫌がらせや陰口を言われないなら俺と堂々と付き合うのか?」


「………まあそうですね。」


「その言葉、覚えておけよ。」



健人さんがニヤリとするのがチラリと見えた。
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