社長の甘い罠~いつしか当たり前に~ + 番外編
「あれ?長嶺さん?」



聞こえてきた声にドキリとした。聞き覚えのある声だ。



「嘘、長谷川さんと社長じゃない?」



あゆみの声に視線を向ければ、やっぱり社長と長谷川さんだ。


近づいてくる二人に心臓がバクバクと鳴り始める。



「社長、長谷川さん、どうされたんですか?」



私の言葉に微笑む長谷川さんと社長に同期が固まる。見惚れてるに違いない。



「ランチの帰りなんだ。長嶺さん達も?」


「俺達はいつも此処で食べてますから。」



藤村が答えた。私は二人から視線を逸らしたが、あゆみがポンポンと肩を叩きまくっている。



「花菜、ほら。」


「ん?何?」



あゆみの様子に長谷川さんの優しい声が聞こえる。チラリと社長を見上げれば、視線がぶつかる。



「あの……今週の金曜日にご予定とかあります?」




あゆみが直に話し始めた。視線がぶつかっていた社長がニヤリとした気がした。
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