社長の甘い罠~いつしか当たり前に~ + 番外編
お風呂から上がり、リビングへと向かう。



「花菜、座れ。ほら、急ぐぞ。」



すでにテーブルには朝食がセットされている。私がお風呂に入っている間に作ってくれている。


大人しく椅子に腰掛ける。



「花菜、食べよう。」



健人さんが私の前に座ると食べ始めた。そんな健人さんをじっと見つめる。



「花菜?まだ眠いのか?」


「ううん。」


「食欲ない?」



心配そうな顔を見せる健人さんに首を横に振った。


何でもやってくれる健人さんに甘えるのが………いつしか当たり前になってしまっている。


申し訳なくなってくる。



「花菜?」


「当たり前になっちゃって………。」


「花菜?」


「こうやって朝ご飯を作って貰うのも……、お風呂を湧かしてくれるのも……。家に送ってもらうのも……いつしか当たり前になっちゃって。」


「………。」


「健人さんは疲れない?私なんかと付き合って。」
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