わたしは一生に一度の恋をしました
「寝かせといてあげなさい。昨日ほのかを連れて帰ってきてくれたのよ。ほのかが目を覚ますまで傍に居させて欲しいというからリビングに居てもらったけど。遅くまで起きていたみたいだから疲れているのよ」

 真一はわたしをあそこから連れて帰って来てくれたのだろうか。

「熱はどう? 昨日は随分高熱を出していたようだけど。今日も試験だけど、どうする?」

 わたしはおばあちゃんの言葉に頷いた。

「大丈夫だと思うけど、一応熱を測ってみるよ」

 わたしは真一が体温計を握り締めているのに気が付いた。真一を起こさないようにして彼の手から体温計を抜き取った。

 体温は三十七度と少し高めだったが、動けないほどではなかった。

 それにこれくらいで休むわけにはいかなかった。

 わたしは準備を整えると、マスクをして、寝ている真一をそのままにして家を出た。



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