君と、ゆびきり
151回目の入学式
目が覚めると中学の入学式当日だった。


あたしはゆるりとため息を吐き出す。


また、始まった。


これで151回目の朝がきたことになる。


時間が繰り返されずに過ごしていたとすれば、あたしは何歳になっていただろう?


考えようとして、やめた。


そんなことはきっと無駄な行為だ。


この奇妙な世界に足を踏み入れてしまったあたしは、とにかくこの世界から脱出をしなければいけない。


そのためには、風との約束を果たす事だ。


「よし!」


あたしは気合を入れてベッドから起きだした。


真新しい制服に身を包み、親の車に揺られて学校へ向かう。
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