君と、ゆびきり
勉強
その日、あたしと風は一緒に勉強をしていた。


テーブルの上には分厚い医学書。


さっきから2人でうんうんうなり声を上げながらページをめくっている。


見ているページは風の病気が書かれている場所だった。


「ねぇ、千里は医学部に入学するの?」


「え? わかんない」


あたしは顔を上げずにそう返事をした。


「じゃぁ、なんでこんな難しい本を沢山買って読んでるの?」


「だって、少しでも知りたいじゃん」


「俺の病気のことを?」


「うん」


あたしは頷き、ようやく顔を上げた。


丁度風も本から顔を上げた頃で、2人して見つめ合っていた。


150回目の時はチアキが一緒に勉強してくれていたけれど、今回は風と一緒だ。
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