君と、ゆびきり
あたしはコクンと小さく頷いた。


なにか言いたかったけれど、嬉しくて言葉にならない。


不思議だった。


青には何度も告白されて付き合っているはずなのに、こんなふうに言葉がでない事はなかったハズだ。


それが、相手が風になるとこんなにも変わってしまう。


気が付けば風の顔が近くにあった。


あたしは自然に身を任せるように目を閉じて、そして数秒後、風の唇の温もりを感じていたのだった。
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