君と、ゆびきり
夏休み
中学最後の夏休みになっていた。


あのクリスマスパーティー以来、玲子はあたしと一緒に病院へ顔を出す事が多くなっていて、今ではもう風とも友達だ。


玲子だけではなく、青もそうだ。


青は風にとんでもないライバル宣言をしたのに関わらず、病院についてくる。


そしてその度に『俺は諦めたわけじゃないからな』という宣戦布告をするのだった。


その言葉通り、あたしは時々青にデートに誘われていた。


これほど青があたしの事を思ってくれていただなんて、150回目まで気が付く事ができなかったんだ。


あたしは内心青に対しては申し訳ない気持ちになっていた。


前回までは青と付き合っても、中学卒業と同時に別れてしまっていたのだ。


原因は青が県外の高校に通うから。


遠距離恋愛に自信がなかったあたしは、自分から青を振る事になった。
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