君と、ゆびきり
花火大会
昼間に出会った不思議な少女について、あたしはみんなには黙っていることにした。


せっかくの楽しい雰囲気を壊したくなかったし、なによりあの少女を見ていると恐怖心が湧いてきてしまったからだ。


もしかしてあの子はこの世の者じゃないんじゃないか?


そんな非現実的な考えが過っていた。


「ねぇ、夜からは花火大会があるんだって!」


そう言ったのは玲子だった。


そういえばさっきジュースを買いに行った海の家でも、ポスターが貼ってあったっけ。


1万発!


と書かれた花火のポスターを思い出す。


「うそ。だからこんなに人が多かったんだね」


友人が目を丸くしてそう言った。


「どうする? 花火、見てから帰る?」


玲子があたしへ向けてそう言った。
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