君と、ゆびきり
クリスマス
冬の寒さで目が覚めた。


窓から差し込む太陽の光は弱く、部屋の中はまだ薄暗い。


あたしは手探りで電気のスイッチを入れた。


眩しさに一瞬目をほそめ、それからリモコンで暖房を入れた。


部屋が十分に暖かくなるのを待ってベッドから出ると、携帯電話を確認した。


12月25日。


中学2年生のクリスマスがやってきた。


さすがにこの年になるとサンタクロースなんて信じてない。


だけど、毎年あたしの枕元にはラッピングされたプレゼントが置かれているのだった。


今年もまた、プレゼントが来たみたいだ。


年頃の娘の部屋にコッソリ入って来るなんて。


と、ブツブツ文句を言いながらも何が送られて来たのか楽しみになる。


袋を開けてみると、今年はパジャマとソックスが入っていた。


中学に上がってからのクリスマスプレゼントは、こんな風に実用的なものが増えて来た。


「なかなか可愛いじゃん」


モコモコのフードがついたパジャマは手触りもよく、すぐに気に入った。


「千里、おはよう」


パジャマを片付けているとノックもなしに、お母さんがドアを開けて入って来た。
< 72 / 226 >

この作品をシェア

pagetop