イジワル社長は溺愛旦那様!?
「いじわる……っ」
湊はそのまま倒れこんでくる夕妃を受け止めながら、上下の体を入れ替える。
「こういう俺を素直に受け入れて、甘やかしているのは夕妃だよ」
そして汗で頬に張り付いた髪を優しく丁寧に取り除きながら、湊はさらに強く夕妃に体を押し付ける。
「そう、なの……?」
まるで心の奥まで力ずくで分け入ってくるような湊の行為に、全身に甘くしびれが広がっていく。
「だからすぐに、結婚しようって言ったんだ。ほかの男にかっさらわれたら、大変だと思ったから……」
そして湊は、優しく夕妃の顔じゅうに音を立ててキスをする。
何度も、何度も……。
翌朝。先に出勤したのは夕妃だ。
社長室のデスクの上に、昨晩作成した資料をプリントアウトして置いていた。
午前中、エール化粧品本社会議に出席していた湊は、戻ってきてすぐにそれを見たらしい。
資料片手に秘書室にひょっこりと顔を出した。