恋愛白書
〝神谷〟


その文字に目がいく。


…嘘だろ。


神谷がやしなと同じ班とか許さねぇ。


「絶対に俺代わってもらってくる」


俺は神谷の席に走る。


「神谷!」


俺は神谷の肩をつかむ。


「丈なした?」


きょとんとした顔で俺をみる。


「3番と5番交換して」


俺は神谷に頭を下げるわ


「待って、なんでだよ」


神谷は苦笑い。


「3番が、やしなの班だから」


俺の言葉に神谷は黒板に目をやる。


「ほんとだ」


黒板に書いてある文字をみて納得した様子。


「だから、頼む!」


俺はもう1度神谷に頭を下げる。


絶対一緒がいいんだ。
やしなと出会った中学で
最後の思い出作りのようなもんだぜ。


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