恋愛白書

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「やしなー!あたしやしなと離れたくないー」


えんえんと泣いているのは光。


「光ー泣かないでー」


あたしは光の頭をなでる。


今日は卒業式。


この教室とお別れ。


「やしな」


後ろからポンっと肩をたたかれる。


「丈!」


あの仲直りした日から
あたしと丈の関係はきわめて良好だった。


あたしは丈が大事だし。
丈もあたしが大事ってのが伝わってきた。


「高校でもよろしくな」

「うん!」

「あたしの前でそれ禁句!」


光が丈に怒る。


「じゃあ光もK高にすればよかったじゃん」


丈がクスクス笑う。


「だってー。夢があるんだもん」

「じゃあ泣くな」


光の背中をパシンとたたく。


光は高校から通える看護学校に行くの。

あたしと丈とまちゃは同じ高校。
あと神谷くんと篠原さんもなぞに同じ高校らしい。

虎はT高にいって
モリーはN高に進む。

みんなそれぞれ別々の道を歩む。

もう中学とはお別れなんだ。


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