チューリップ
マンションの外に出ると、まだ強い雨が降っていた。





バケツをひっくり返したような雨ってよく言うけど、私には空から雨の制裁を受けているように見える。







混乱している頭に響く雨の音は、今の私にとっては恐怖でしかない。









私は持っていた傘を広げて歩き始めた。





目の前にはちゃんと道がつながっている。


きっとこのまま歩いていけば、家につくことができるだろう。













でも今の私には目の前にあるはずの道がかすんで見える。














それでも私は歩き続けた。





それが私の使命なのだと思った。








歩き続けることが私の教師としての、使命だと思った。
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