こいつ、俺の嫁。




そしてこうして電話やメールをする不思議な関係が続いてる。




テツとはあれから話してもないし、一緒に登下校することもなくなった。




廊下ですれ違っても目すら合わせない日々。
寂しいし悲しいけど、三輪田くんの電話やメールがその気持ちを埋めてくれてる。




呼び鈴を鳴らすと店員が笑顔でやって来た。




「ご注文はお決まりですか?」


「えっと私はこの魚介のパスタのサラダセットとティラミスケーキにします!」


「じゃあ、ミートグラタンとガトーショコラ。
ドリンクバーは3つでいいよね。澪は?」


「あたしは……とりあえずドリンクバーだけでいいや」




店員が笑顔で去っていくのとは逆に未来の表情は鋭くなった。




「澪、あんたちゃんと食べてんの?」


「澪センパイここ1ヶ月でかなり痩せてませんか?」


「あー、なんか最近食欲なくてさ!夏バテかな!…なんてね」




無理に笑っても二人は一緒になって笑ってはくれなかった。




それどころか表情がどんどん険しくなっていく。




そんな表情見たらあたしまで辛くなっちゃうよ。
冗談でもいいから笑ってほしい。




そしたら気が紛れるから。




< 352 / 380 >

この作品をシェア

pagetop