溺甘プレジデント~一途な社長の強引プロポーズ~


 きっと他の企業と大して変わらず、色々なタイプの女性がいる。

 メイクやファッションに抜かりなく、毎日がレッドカーペット気分の人。
 働きやすさを求め、いわゆる普通のOL風で過ごす人。
 女性らしさに落ち着きが出てきて、家庭との両立を求める人。
 将来の伴侶を探している、ハンター気質の人。



 そして、俺の好きな人は、今日もとてもあっさりした態度で取材の段取りを一緒に確認している。
 世間では“塩対応”っていうらしいけど……まぁ、確かに常につれない態度。



「ここは、広報から渡す資料を元にしていただけると助かります。いいよね、白埜さん」

「はい。こちらとしましてもその方が助かります」


 好きだって、言いたくなったから言っただけ。
 そういう目で見たことがないなら、これから考えてもらえればいい。


 俺がどういう男で、どれだけキミを好いているか。



 結構不意打ちで告白したのに、大して影響を受けていないその感じが、彼女らしい。



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