溺甘プレジデント~一途な社長の強引プロポーズ~

 碧さんに同行して、桃園社長も来社している。社内では知られているから、隠そうとしなくてもいい状況が心を軽くしているし、思いがけず会えるのは本当に嬉しくて、もらった指輪を着けた。

 仕事中なのに大丈夫かと、彼は気にしてくれたけれど、今この時くらいは堂々としていたいと思ったのだ。


「私は裏方ですから、きっとこんな小さな変化には気づきません」

「それならいいけど。あんなことがあったから、念には念をいれて気をつけた方がいいですよ」

「はい」

 彼とつき合うようになってから仕事で顔を合わせるのは初めてで、思わず表情が綻んでしまうのを抑えるけれど、意識しないと笑顔がこぼれそうになる。





「それでは、以上となります。本日はありがとうございました」

 記者がまとめて、取材が終わった。同時に撮影していたカメラの機材が慌ただしく片付けられていく。



「葛城社長、今回もいい記事にしますから、ご期待くださいね」

「ありがとうございます。雨賀さんとお話することで、若い層の女性にもアピールができる機会がいただけるので本当にありがたいです。お時間がよろしければ、この後会食でもいかがですか?」


 社長の誘いに乗った桃園社長は、会社に寄ってから行くと告げて、先に出て行った。


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