夫婦ルール

 「渉さん!渉さん!」

 子供みたいにはしゃぐ詩音さん笑顔もいつもと違う感じなのは眼鏡がないから?

 「なんですか?詩音さん」

 「金魚すくいやりましょう!」

 「いいですね」

 「おじさん一回ずつお願いします」

 「あいよ」

 「やった!」

 詩音さんは赤い金魚をすくい

 「それ!」

 僕は黒い金魚をすくうことができ

 「おじさん二匹を同じ袋にお願いできますか?」

 「いいよ!お二人さんみたいに夫婦になったなこの二匹も」

 「い、いえまだ夫婦ではなく」

 「え?」

 「大丈夫ですおじさんなる予定ですから」

 「そうかい、お幸せに」

 詩音さんの顔が屋台の提灯に照らされたせいか真っ赤に見えた

 
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