大悪魔さんのターゲット。
三上side

「悪魔に好きなんて言えるわけない!!」

悪魔‥‥ねぇ。

「ご、ごめんなさい!」

彼女は必死で謝る。別に悪魔なんて呼ばれるの初めてじゃなかったから気にしていない。

「朝山さんはさ、俺のこと悪魔って思うの?」

「えっ‥‥と‥‥。意地悪だし‥‥。あの、そもそも三上くんってなんで人にウザがられるような意地悪をするんですか‥‥?」

ーいじめるのに得なんてないのにー


ーいい事すりゃいいじゃんー



昔に誰かに言われた言葉がふと頭に浮かんだ。確かに相手にとって「得なんて一つもない。」そう思われるのは仕方ない。でも、俺は自分には得があると思うからする。

「ねぇ、朝山さんはさ、"意地悪をする人"に得なんてあると思う?」

彼女は少し間を置いてから、ゆっくりと話し始めた。

「‥‥得はないと思います。けど、私は意地悪をする人にはする人としての立場があって、自分に得があると思ってるからするんじゃないんですかね。」

まぁ、私には理解できませんけどっ。
そう言うと少しニコッと笑う。

自分に得があるから。間違いではないよ。

「ただ人に意地悪するのが好きな悪魔なんだよ。生まれつき俺は」

「どうですかね。悪魔って本当は孤独な寂しがり屋のウサギさん。

ーだったりするんですよ?(ニヤッ」

そう言うと教室の方へと向かっていく朝山さん。

ーもしウサギに見えるなら俺のところに来て救ってよ。


‥‥"孤独"という檻の中からさ。
< 37 / 95 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop