呆れるほどに不器用な恋を、貴方と。


「ん?だってお前のそのワーカホリックな生活で彼女なんて特定の女の子と付き合えるとは思えないし、その気配が全く無い!」


は?


「確かにさ、もしかしたら彼女とか出来たかなーなんて思ったときもあったよ?忙しすぎてイライラしてたと思ったら次の日は機嫌が治ってたりさ。
だけど、あんな生活してて女の子が不満言わないはず無いしさ、だとしたら溜まった頃にすっきり?的な相手が出来たのかなと。
そんな大人の爛れた関係するようになって、お兄ちゃん悲しいっ、」


漫画のように泣き真似をしながらふざけて笑う。
お前、バカ!とか西園寺にまで言われてやがる。


「あほか、いねぇよそんな相手!しかも、出来た?じゃなくて別れた、ってどーゆうことだよ」

「ん?だからさ、イライラしっぱなしだっての。息抜き出来てないんだろ?」

抜く、ってぬく、だな。
わっははははは。
とか西園寺と又バカなことを言い出した。
アホばっかか。

もうほっておこうと食べ終わった食器を片付けようと席をたったその時、西園寺が何かを思い出したかのように、ん?と頭をひねり出す。

動きがきもい。

「あ!俺知ってるわ。あの子だろ?あのこコーヒーショップで一緒にいた可愛い子!何て言うかなー互いの肌を知ってる空気出してたもんなー。何?振られたんだ」


にやにやしながら、いつかの出来事を航大に話し出す。

ばっ、ばか野郎。
航大に言うなって言ってあったのに!


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