呆れるほどに不器用な恋を、貴方と。

「雄大、お前午後と明日の午前中休め。さすがに打ち合わせはキャンセル出来ないから、午前中だけな」

は?

「彼女、マンデリンのマスターんとこだよ」

え?

「ちゃんと、捕まえてこい。んで、ちゃんと紹介しろ!」

「っ、」

「ここまできて恥ずかしいとか出来ないなんて言うなら止めてしまえ」

「なっ、」

「違うんだろ?」

「………………サンキュ、」

はぁ。何回ため息つかすんだろ。
うちの雄大君は。
甘いなー俺。

そう言う航大の顔は、兄貴の顔で。
みちるに会いたくなってきた。
なんて携帯を取り出した。


いや、写メ見るとかおかしいから。


俺もー!みちるちゃんに会いたい!

お前はみちるに寄るな、見るな、触るなんてもってのほかじゃ!

とかなんとか。
相変わらず騒がしすぎる。


だけど、央に会える。
ちゃんと伝えるから。

だから、お願い。



俺の事、好きだって聞かせてくれないか。






【完】


「なぁ、なんであいつあんなに可愛いの?雄大、本当お前の弟?」

「いやー擦れてなくて可愛いよなー俺に似て」

「もっとうまくやれよなー」

「不器用なんだよ俺に似て」

「(……よく言うよ)・・・・みちるちゃんに言ってもいい?」

「ん?何を?金輪際西園寺とみちるは会わせないし」

「・・・・・」



反面教師、だな。

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