呆れるほどに不器用な恋を、貴方と。
雄大の部屋で結婚式のパンフレットを見ながらまったりとしていたとある夜。
「なぁなぁ、央。俺さアレ作りたいアレ」
アレ、じゃあ分からない。
「馴れ初めみたいなムービー」
え?披露宴中に流すアレですか!?
「以外ー雄大そういうの恥ずかしがって嫌がりそうじゃん」
知り合いにさえ恥ずかしがって紹介すらしてくれなかったと言うのに、どうしたのよ。
「んでさ、アレ掛けるのあの曲!」
だからアレじゃあ分かりません!
「情熱大陸!!」
「ブッ!!!!」
「央、好きでしょあの番組」
「な、なななななななんで…………」
「だって、お前よく口ずさんでるよ?チャッチャッチャーって」
なんてこと!!!
絶対バレてない!って思ってたのに!
「だからさ、あんな感じにしてもらったらいいじゃん」
ね。って可愛く言われても。
無理です!無理無理無理無理無理!!!
「ちっがーーーーう!雄大!た、確かに好きだけども!見るだけで満足です。どんな羞恥プレイですか!」
「えーーーそうなのか?せっかくだから情熱大陸風に作って貰えるぞ?」
「だんっこ!拒否します!」
「ふーん…………じゃあさ、入場をその曲にする?」
何でだよ。
どんな入場曲だよ。
情熱大陸はいったん忘れてください。
ガチで。
【完】