こっち向いて、ダーリン。【改訂版】

俺の乱されていく感情

その後なぜか無性に意識してしまい、授業中は常に頬杖をついて、逢川とは反対側をひたすら向き続けた。


なんならずっとサボりっぱなしでいこうかとも思ったが、それもそれで馬鹿らしく、平常心を装いとりあえず出席した。


──なのに。 


くそ、なんでこんなに意識してんだ。


こいつ、淫乱だったとは思いもしなかったぞ。まさか俺に、きっ、きっ、きす!してくるとは!!


ありえねぇにも程がある。犯されるってのは、尋常じゃないくらいの衝撃を受けるものなんだな。


──にしても、頬に当たる感触が痛み以外のものは初めてだ。

幼い頃にあった気もするが、この感覚は今までにない。


不快なはずなのに、イラついているはずなのに、どこか快感になりそうな感触だった。


どうなってんだ俺…。


「ダーリン!」


考え事をしているうちに放課後になっていたらしい。また逢川は当たり前のように、半ば無意識に帰り道を歩く俺の後ろにいる。


つーかだーりんてマジで何なんだよ。反応したくねぇが俺のことなのか?
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