こっち向いて、ダーリン。【改訂版】
「かっこよすぎ!」

「超イケメン!」

「やばい!惚れるー!」


近づくにつれ聞こえてきた黄色い声。


女子がきゃぴきゃぴしてはしゃいでる、渦中の人物って、も、もしかして…。


「あっ!深瀬くん、ちょっとこっち見た!」

「「「きゃーっ!!」」」


わわわ、や、やっぱり、皆深瀬くんを見る為に群がってるの?!


「な、なにこれ」

「なんでこんなことになってんの?」

「これもなにかの噂の影響?」


わたし達三人は口を開けてその場を眺めていた。

というか、わけがわからず固まっているしかなかった。

いかんせん、教室に入ろうにも入れない。ドアの前も他のクラスの女子達が占領している。


授業始まっちゃうじゃないですか。もう先生に怒られたくないのになぁ。

ていうか、何がどうしてダーリンはアイドルのような扱いをうけているのでしょうか。


わたしの記憶じゃ、つい昨日まで怖くて恐ろしくて誰も近づかない目も合わせない、猛獣のような扱いをうけていたと思うんだけど…。


「前はひたすら怖かったけど、髪型でこんなに変わるんだね!」


──え、か、かみ???
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