こっち向いて、ダーリン。【改訂版】

太陽の怖さを知るわたし

「ほら、やっぱりなにもなかったじゃないですか」


病院に到着後、なにやら色々な検査をされたけど全て異常なし。

結果を待っている間、ご立派な個室のベッドを用意されなぜか点滴を受ける始末。


そりゃ疲れはありますが、こんな広い個室じゃ逆に落ち着かなくて神経張っちゃうわ。

まず異常のあるわけがないってのに、庄司さんたら。


「充分すぎるほどありましたでしょう」

「それってまさか疲労ですか?それとも手首と足首の擦り傷のことですか?こんなのかすり傷もいいとこですよ」

「なにを仰いますか逢川様。まだ婚前、それも未成年のお嬢様の体に傷跡でも残りましたら、責任問題に繋がります」

「こっ、婚前?!ちょいと庄司さん!一体なんのお話を」

「まぁ責任は圭悟様にお取りいただきますので、何ら問題はございませんが」

「深瀬くんが責任?ってなんの…あっ!深瀬くんはどうだったんですか?!」

「いまだに意識が戻っておりません。命に別状はないとのことですが、以前に頭部の骨に怪我を負っておりますので、今回そこになにもなければ良いのですが」

「頭部の骨…!?」


やだ、深瀬くん大丈夫かな?!

どうか無事でいて──!!


「命に別状がなかったのは逢川様のお力添えの賜物です。本当にありがとうございました」
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