完璧な彼は、溺愛ダーリン


「コラ。何撫でてんの」

「す、すみません」

「ふふ、おはよう」

「おはようございます」

「よく眠れた?」

「……はい、お陰様で」


記憶が途切れたのは、ソファだ。
だから、ここまできっと葛木さんが運んでくれたのだろう。


それを考えるだけでも申し訳なくなるし、恥ずかしさで今すぐに逃げたい。


「寝ちゃった事、気にしてるの?」

「……はい」

「俺も遊ばせてもらったからおあいこ。
三石さん、何しても起きないんだもん」

「遊ばせてって……!? え、何したんですか」


焦りながら葛木さんに問い詰める。葛木さんはケラケラと軽く笑うだけで答えてはくれなかった。


穏やかな休日を葛木さんと過ごした私は、翌日出勤をすると栞が笑顔で出迎えてくれた。

本当に葛木さんは何もしなかったな。
これからゆっくりと進めていくんだって思えるからいいけどね。

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