結婚したくてなにが悪い?!
恋という名の下心 ②

奢りねぇ…
基本、私は奢られるのは嫌い。
今まで付き合ってきた男(ひと)とも、対等で居たかったから、デートの時はいつも割り勘にしてた。
勿論、祐人ともそうだった。

まぁ今回は頂くか…
一杯だけ。

「協力したもんね…」
「え? さっきの…? やっぱりそっか? 恭子が場所もわきまえず、声を荒立てるなんて無いもんね?ってか、あんた達いい感じじゃん?」
小さな声で呟いた筈だが、由美にはきこえていたようだ。
そして由美は「付き合っちゃえば?」と私の耳元で囁いた。

「はぁ? 誰と誰が!?」
ない! 絶対ない!!

まぁイケメンはイケメンだし…
なんどと助けてくれて…
多分…悪い人じゃないと思う。
今だって女性客を心配しての事だろうし…

意地悪な事言っても
本当の彼は優しい人だと思う。
でも…何人も女が居るっていってたし…
いやない!!
2度と同じ鐵は踏まない!
浮気されて、辛い思いするのは懲り懲りだ!

「あっそろそろ私行くわ!」
二杯飲んだところで由美が席を立とうとした。

「はぁ? どこ行くのよ? まだ早いじゃん?」
「じつはさぁ…」
「はぁ?」

由美は、この間合コンした弁護士と付き合いだしたと言う。あれほど無いと言ってたのに…なんだそれ?

「まぁ見えてる物だけが真実じゃない。って事に気が付いたのよ? 男と女なんてみんなそうじゃん? 付き合って見ないと本当の姿は見えないでしょ?」
確かにそうだけど…

「背は低いし、頭はちょっと来(ハゲ)始めてるけどね?」と笑う由美。
「嘘…」

それでも由美が付き合うって事は、余程いい人なんだろう。確かに人は見た目じゃない。私達みたいな仕事をしてれば、素敵な人の裏の顔が見えたりして、男女問わずがっかりする事もある。

「まぁ見た目はイマイチだけど、弁護士事務所は大手だし、三男で親の面倒見なくて良いらしいからね?」
それ…中身と違うじゃん?

由美は「待ってるから行くね?」と弾むように行ってしまった。

なんじゃありゃ…?
でも由美嬉しそうだったなぁ…
本当にその彼の事好きなんだ。

私も負けてらんない!
いい人見つけて、私も早く家族作るぞ!



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