【完】1輪の花たちは
前を歩くアジサは、マフィアらしくない猫背。

せっかくカッコいいスーツを着ているのにみっともない。


「ねーねー?もうちょっと、ピシッと背筋伸ばしたら?」

「は?」

「だって、なんだかかっこ悪いよ?」

「お前はムスカみたいな事を言うんだな。気持ち悪い」

「ちょっ…気持ち悪いってなによ………」


ムスカはちょっとナルシストな所がある。

うん。そこは認めるよ?認めるけどさ……

気持ち悪いってなに!?


「あー、ここ。俺の部屋」

「え?」


さっきからどこ歩いてるのかと思いきや、部屋に行きたかったらしい。

ファミリーでも、一応は男子の部屋に足を踏み入れる事になる。

……………ちょっと緊張…。


「ん。入れば?」


ドアを開けて、私が先に入るのを待っている。

レディーファーストってやつ???


「なんだぁ♪優しいとこあるじゃん♪」


そう言いながら、部屋に入った私。

そこで見たものは、衝撃的なものだった。
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