守りたい、不器用な人。~貴方と始める最後の恋~
「勿論です。俺はミサキさんの傍にいます」

「山瀨さん……ありがとうございます」

「……お礼なんて言わないでください。俺が傍にいたいんです」


ふにゃりと、目尻に皺を寄せながら笑うと彼は再び私の体を引き寄せる。
温もりを感じながら逞しい腕の中で目を閉じた。

変わりたい。
変わろう。
変わる。


呪文のように唱えながら自分に言い聞かせる。

大丈夫、貴方のその言葉は私を強くさせるんだ。
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