守りたい、不器用な人。~貴方と始める最後の恋~
「お前が山瀨のことを大切に思っているから決めたことなんだろうが……。
それは優しさじゃ無い。かえって山瀨を傷つけるだけだ」
大将は全てをお見通しみたいだ。
私が言おうとしていた言葉も、想いも。
『私のことはもう忘れてください』
それが山瀨さんに言おうとしていた言葉。
だけど本当はそんなこと思っても居ない。
考えただけで胸が痛い。
「……じゃあ……どうすればいいんですか……。
私は山瀨さんになんて言えばいいんですか! 待っていて欲しいとでも?
この気持ちが、先輩へのグチャグチャとした気持ちが消えるまで待っていて欲しいと?」
散々待たせておいて。
山瀨さんの優しさな甘えておいて。
そんなことを言える訳が無い。
「ああ」
それをあたかも当然と言うように頷く大将。
それが考えられなかった。
「そんな酷いこと出来ません」
「……酷い? 自分の気持ちを押し殺して嘘の言葉投げる方がよっぽど酷いだろうが!」
「っ……それはっ……」
「そんなんじゃあ……いつまで経ってもお前は変われない。
あの時の、……泣き虫な高校生の時のままだな」
大将は鼻で笑うと静かに私の横を通り過ぎていく。
それは優しさじゃ無い。かえって山瀨を傷つけるだけだ」
大将は全てをお見通しみたいだ。
私が言おうとしていた言葉も、想いも。
『私のことはもう忘れてください』
それが山瀨さんに言おうとしていた言葉。
だけど本当はそんなこと思っても居ない。
考えただけで胸が痛い。
「……じゃあ……どうすればいいんですか……。
私は山瀨さんになんて言えばいいんですか! 待っていて欲しいとでも?
この気持ちが、先輩へのグチャグチャとした気持ちが消えるまで待っていて欲しいと?」
散々待たせておいて。
山瀨さんの優しさな甘えておいて。
そんなことを言える訳が無い。
「ああ」
それをあたかも当然と言うように頷く大将。
それが考えられなかった。
「そんな酷いこと出来ません」
「……酷い? 自分の気持ちを押し殺して嘘の言葉投げる方がよっぽど酷いだろうが!」
「っ……それはっ……」
「そんなんじゃあ……いつまで経ってもお前は変われない。
あの時の、……泣き虫な高校生の時のままだな」
大将は鼻で笑うと静かに私の横を通り過ぎていく。