守りたい、不器用な人。~貴方と始める最後の恋~
「私は恋愛をする気はありません。もう……騙されたりなんかしない……」

「え、騙され……」


聞こえていたのか目を見開きながら私を見つめていた。
気まずくなり、視線を外しても見られていることが分かる。


「……とにかくそういう事ですから」


そのまま山瀬さんを見る事なく彼に背を向けた。


「待って! ミサキさん! 俺は……」

「……私に関わらないで下さい」


無意識的に握りしめていた拳。

小刻みに震える体を隠す様にして早足で店へと戻った。

後ろから聞こえる山瀬さんの声を聞こえないフリをして……。
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