守りたい、不器用な人。~貴方と始める最後の恋~
「……いただきます」


店のカウンターに座りアイスの蓋を開ける。
ピンク色で粒粒が目立つアイス。

見た目は美味しそうだけど……。

ゴクリと喉を鳴らしてスプーンで掬う。

少し溶けかけたアイスを口に運べば、明太子の味が一瞬にして広がった。


「……からっ……」


少しピリ辛だけど、美味しい。
もう一口食べようとスプーンをカップに入れればポタリと水滴が手に落ちた。


「え……なにっ……何で私泣いて……」


自分の意思とは関係なく涙が溢れ出てくる。

別に泣きたくなんかないのに。

涙が止まらない。


「っう……本当にからい……」


目を擦りながらもアイスを食べ続けた。
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