壁越しの舌

*

モニーサンが作ってくれた表札をドアに掛けた

味があってとても気に入った

「モニーサンありがとう」

モニーサンは満足そうにずっと表札を見ていた

中に入るとてん汰がお皿を洗ってる

「どうしたの??」

『てん汰が俺がするから蒼子は座っててだって。だからお言葉に甘えて私と蒼子は座ってるわけ』

蒼子は申し訳なさそうに座ってる

〈お前洗いかた汚ねぇ〉

モニーサンがボソッと言うと、

『一緒に洗おう』

蒼子が隣に行く。まるで今初めて会ったかのようにてん汰の顔は赤くなる

「あ…ゴメンな」

てん汰は本当に良い友達で純で素直

蒼子と出会って一年たつのに想いを言えずにいる

『てん汰、まだ告んないのかな??』

キャシーはボーっと二人を見ながら呟いた

『蒼子もてん汰好きでしょ。…ねぇ、夜買い出し行ってもらおうよ』


「夜までいるの?」


『予定開けたから暇だし!みんな夜までいるつもりだよ〜ねぇモニーサン??』


〈夜までは迷惑だろ。夕方には帰るから〉

『モニー!!』


〈何〉

「夜までいてよ。楽しいから」

キャシーはモニーサンをバシッと叩いて『ありがとう』と笑った
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