鏡の先の銀河鉄道
 頭の中を流れる映像を理解することが出来るのに。文字として、言葉としては何も思い出せない記憶。
 
 
 
 頭が・・・痛い・・・。 
 
 
 
 流れる記憶に襲われるように頭痛が広がり、その場にしゃがみ込んでしまった。
 「大丈夫、カムパネルラ!!」
 慌てて、俺のことを心配するようにシリウスが声をかけてきた。シリウスの顔を見ようと顔をあげた。俺の眼に飛び込んできたのは、シリウスの顔ではなく俺のことを見下すジョバンニの姿だった。ジョバンニからの威圧感に負けるように、視線をすぐにずらした。
 ジョバンニは多分、石を手にした俺のことを怒っているんだと思う。
 「ジョバンニ・・。」
 
 -―ジリリリリッッ
 
 俺の言葉をさえぎるように、しし座ステーションから汽笛のような音が聞こえてきた。そして、汽笛の音にジョバンニは驚いた表情を浮べた。
 「カムパネルラ、急がないと!!銀河鉄道が発車しちゃう!!」
 ジョバンニは、そう言いながらしゃがんでいる俺の手をひっぱりながら走りだそうとしていた。
 「シリウスは、乗らないの?」
 「僕の終点は、ココだから。」
 シリウスの言葉を最期まで聞かないうちに、ジョバンニは走り出していた。
 俺たちが駅についた時、まだ銀河鉄道は止まっていた。しかし、さっきまでと違って銀河鉄道の中には沢山の人が乗っていた。
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