俺様社長の溺愛宣言
今週は、亜香里と課長、満里奈と奏のペアで仕事をこなしていく。

各課に頼まれた雑用をこなしていく。書類整理やら、アシスタント、力仕事にと、意外に、他部署より大変な仕事かもしれない。

「…わっ!とと」

重たい段ボールを持ち上げて重たさのあまりヨロケタ満里奈を、奏はすかさず助けにはいる。

「…大丈夫?」
「…すみません、大丈、あ!」

奏は満里奈から段ボールを軽々と奪うと歩き出す。満里奈は慌ててその後を追う。

「…私、運べますから」
「何言ってるの?こんな重労働は男の仕事だよ」
「でも」

「渡辺さんは甘えベタなんだね」
「…」

そう言って微笑んだ奏。笑うとタレ目になって、なんだかカワイイと、満里奈は思った。

…2年も一緒に仕事してるうちに、満里奈の奏に対する気持ちは随分変わった。

まだ、触れられるのには慣れないが、こうして仕事をするには、とても信頼できる。

右も左もわからない満里奈に、一から丁寧に仕事を教えてくれた奏には、感謝してもしきれないほどだ。

「…後、これは営業部と社長室…営業部に持っていくものの方が重たいから、社長室の物をお願いできる?」

「…社長室」

今、一番行きたくない部屋だ。満里奈は困惑顔で奏を見る。

「…どうしたの?」

…この空気、断れそうにない。

「…行ってきます」

荷物を持つと、社長室向かった。
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