俺様社長の溺愛宣言
6.俺様社長が策略に…
その日も結局、いやあの日以来、本当に、毎日零士のマンションに帰るようになった。

一馬から連絡が来ることもなく、もう結婚の事は諦めてくれたのかと思うようになった満里奈。

…零士との仲は、毎日一緒にいても、満里奈にキス以上の事は、しない。

零士なりの優しさ。

でも、流石の満里奈も、手を出されない事が不安になり始めていた。

零士に好きだと言ったものの、恋愛かどうか分からないといってしまっているのだから、待ってくれている零士に感謝してもいいくらいなのはわかっている。

が、不安はそれと比例するように大きくなる。

「…」

そんなある日、事件は起きた。

会社の掲示板に何者かが、2枚の写真を張り出していた。

1枚は、満里奈とキスをする零士の写真、

もう1枚は、…どこかの駐車場で女と抱き合う零士の写真。

…満里奈の顔は隠されていた。

もう1枚の写真の女も背後からの写真なので、誰だかわからない。

この事件のせいで、零士は勿論渦中の人に。

満里奈が零士と一緒にいることなど無理に等しい。

仕事中も、仕事が終わってからも、零士からの電話に、満里奈は出ることができなかった。

いずれはこうなるかもしれないとどこかで満里奈は思っていた。零士だって、バレても構わないと言っていた。

来るときがきただけ。

だが、一つだけ、想定外の出来事が。

そう、それは、何処かで撮られた、知らない女と抱き合う写真。

…零士の事は、信じてる。が、あんな写真を見せられて、信じられない自分もどこかにいる。

こんな状態で零士と話なんて、出来そうになかった。
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