気付いてよ~縮まらない私と彼のキョリ~
最後の2/2
また、呼ばれてとあの家に行った。

「なに言われるんだろう。」

私は、トキドキと同時に恐怖感を溜めながら友達と向かった。

ー後悔するなんて、知らず。


ーピンポーン

少し待つと、とあが出てきた。
いつもと違って、玄関は閉め、すぐ傍にいた友達を下で待たせた。


「窪田からいろいろ、聞いて。<未練がある>とか...」
「未練って言うか...ないんやけど、いやあるんかな...」

私は、うつ向き加減に言った。

「あー、言っていいんか、わからんけど...」
と、とあは少し考えてから私に言った。

「諦めて」
「うん」

私は、即答した。
だって、諦めなきゃいけないんだから。
頭では分かってるのに、諦めてくれない。


シーン...と重苦しい空気が流れ、とあは上の階に私を連れていった。

『・・・』

いやだ。
この場から早く逃げたい。
怖かった。
とあと居るのが怖かった。

「なぁ...」
「ん...」

「えーと...」

とあは一人でウロウロすると私に言った。

「キスしていい」
「はっ?」

私は戸惑いを隠せず、腕に顔を隠した。
いろいろ、考えが巡った。

「帰りたい」

これが一番強い思い。

「合わせる顔が...なくなる」
「なんで?」
「なんでって....」

なんで分からないかな。
恥ずかしいし、嫌だし。。。

私は、元の階に降りた。
このままじゃ、なんも解決しないし、帰れない。どうしよう。。

いろいろ考え、決意した。

「正直さ...」
「うん」

「とあことはまだ、好き。だけど、こんなこと言って。。友達なんかは知らんけど、この関係が変わるのが嫌だ...」

私は、弱々しく言った。

「変わらんやん。俺の性格とか..」
「いや、変わるってそうじゃなくてさ。」

少しイライラした。
どうしてわからないの。
「なんて言ったらいいんかな....」

「こんな、気持ちをとあに押し付けて、重い女とか、思われたくない。思ってるかもしれんけどさ。」
「・・・」

無我夢中だった。
思ってたことを吐き出した。

「こんな気持ち...とあも困るし。私だって、こんな気持ち嫌やねん。」

私は、そのまは下へ降りた。
とあを置いて。

「はの待ってたんやw」
「待ってるよw」

私の異変に気付いたのか少し表情が曇った。
私は、歯を食い縛り泣いた。

「(んで、泣くんだよ!)」

私は、とあが来てることに気づき、走った。
そして、道路を曲がった所で立ち止まると、とあは来ていた。

「つ...」
私は、手で顔を隠した。
こんな泣き顔見せたくない。
めんどくさい女だなんて...思わせたくない。。

「ごめん」

肩に手を置き、頭を撫でた。

触らないで...どっか行って。
私は、いつの間にか来ていた、はのからハンカチを貸してもらい、また走った。

「とあから離れたい。」

の一心で。

途中電灯があり、それを殴った。

「泣くなよ私。んで泣いてんだよ」
小さく、呟きながら走った。
「そんなこと私が一番分かってるんだよ」

溢れてくる涙を私は、必死に止めた。

「嫌だよ...」


こんな別れ方して、とあごめんね。
迷惑かけて。
めんどくさい女って思ったかな。


学校、行きたくないよ。
怖いよ。
とあにどんな顔して会えばいい?
怖い。。
笑えるかな。
泣かないかな。
大丈夫かな。。。

「天ノ弱がダンスやのに、まい大丈夫か?」
と、はのに聞かれたけど無理して大丈夫って。笑った。


こんな、ストーリー、物語の中だけだって思ってた。
まるで物語の中に入ったみたい。






「とあが好きでした。」



私は、弱虫だから、言えなかった。
弱虫だから、あの場から逃げた。


私は、後悔してる。
あの場から逃げたこと、とあの家に行ったこと。



後悔してるんだ...
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