【完】好きだという言葉の果てに
半分以上、上の空でページを捲り、それが20ページくらいになった頃、ドアがカランと鳴るのを耳にした。
そのドアの開け方だけで、開いたのが彼女だと分かる。
本当はすぐに顔を上げて出迎えたいところだったけれど、それてはあまりにも必死過ぎるような気がして、いつも我慢する。
さっきのウエイトレスの「いらっしゃいませ〜」という声を静かに制するようにして、彼女はブーツの踵をそっと鳴らしながら此方に近付いてくる。