千日紅の咲く庭で
「終わった人から、一度休憩取ってください。この暑さで倒れたら困るからな。それから最後に確認作業して今日は解散するから。」

支店長の声に、作業していた皆が返事をする。


作業の終わった私と東谷君は、エアコンの効いた事務所に戻り、差し入れに置かれていたお茶を喉に流し込んだ。

乾ききった喉を通って、冷たいお茶が身体の中を一気に流れこんでいくのが分かる気がした。


向かいに座って、お茶を飲む東谷くんもそれは同じなんだろう。

一気にお茶を身体に流し込むと、東谷くんの喉仏が大きく上下したのが分かった。


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