あなたに憧れて

新しい芽

西山支店に配属されて1年ほど経ったころ

桜咲く4月を少し過ぎ木々が緑に変わり始めた5月の連休明け。
西山支店には一人の男性が配属されて来た。
「本日より配属された永島です。よろしくおねがいします」
店長、主任、得意先、私の順番で挨拶をする。
得意先の高橋さんは定年退職されて、得意先は山浦さん一人となった。

店長「じゃあ、二宮さん。永島さんに色々教えてやって」
私『はい』
永島さんに向けて『よろしくね』と言ったら「よろしくおねがいします」と返ってきた。

『まずは定期性からだね。オペレーションはどこまで習った?』
「当座、普通預金の入出金だけです」
『じゃあ・・・昨日の伝票を綴ろうか?穴はこの位置で開けて、背表紙はノリで確り止めて、裏側に割印ね』
「こう?ですか??」
『そうそう!で、うちの店長、細かいから伝票とかずれない様にね。特に小切手と為替の伝票は』

・・・最初は素直でいい子だと思っていた。
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